新しい事業領域に、決まったやり方がまだない
立ち上げから伴走し、いずれも売上300%成長に貢献
数字で見る
いずれもフリーベル株式会社全体の売上成長です。事業の多角化にともなう会社全体の数字であり、個人の成果を切り出したものではありません。
背景
フリーベル株式会社の橋山氏と出会ったのは、フリーランスのライターとして仕事を始めて半年ほどの頃でした。最初はオウンドメディアの記事制作から始まり、そこからディレクションも任されるようになります。できそうな仕事を引き受けていくうちに、自然と担当する範囲が広がっていきました。
この、自分の業務を先に区切らず、できるだろうと思えることは引き受けて、そのつど領域を広げていくというやり方が、その後のフリーランスとしての基本スタイルになっています。
事業立ち上げ① コンテンツ制作から、コンサルティングへ(2014〜2016年)
最初はオウンドメディアの記事制作とディレクションを担当していました。橋山氏からは、記事制作にとどまらず、Webマーケティング全体のコンサルティングという新しい事業を立ち上げたいという相談がありました。
記事制作で培ったコンテンツ制作のノウハウは、オウンドメディアに限りません。Webサイト、メールマガジンと、扱うチャネルを横に広げていけば、業務の幅を広げられる。そうした読みがありました。
きっかけになった依頼
直接のきっかけは、あるクライアントからの依頼でした。グループ内外の取引先から、デザイン以外のコンテンツ制作の仕事も相談されるようになっていたものの、自社では巻き取れない。その体制をつくりたい、という相談です。
型のない状態から、型をつくる
そのクライアントに対して、コンテンツ制作の知見と基本的な段取りを一から伝えていきました。まだやり方が決まっていない仕事を、1社に対して手探りで作っていくという進め方です。
一度作り切ると、やり方の輪郭が見えてきます。その輪郭を整理し、他のクライアントにも渡せる汎用的なサービスとして仕立て直しました。市場分析から自社のブランディングに至る上流工程、そして定常的なメール配信までの下流工程を一本のフローにまとめ、それぞれの工程にどんな成果物が生まれるかも定義しています。価格の目安まで示したサービスメニューも、このとき合わせてつくりました。
間にあったこと 半年間の実地経験
次の事業に移る前、フリーベル経由の紹介で、Oracle Eloquaを使うMA運用企業に半年ほど携わる機会がありました。そこではオペレーターとして、クライアントからメールマガジンの作成代行や配信設定といった実務を、定常的に引き受けていました。
ここで得られたのは、MAツールの運用が実際にはどう回るのかという、現場の生きた知見です。学んだことを一般化し、次のサービスに展開していく。これも、それまでと変わらないやり方でした。
事業立ち上げ② インサイドセールス・MA導入支援へ(2017〜2022年)
次にどの領域へ進むかは、橋山氏の市場の読みによるところが大きいものでした。
それまでのコンテンツ制作の仕事は、単発になりやすいという課題を抱えていました。メディアを立ち上げる時期にまとまった記事が必要でも、ストックができれば仕事は終わる。継続的な依頼になりにくい構造です。
これを変えるには、毎月発生する仕事が必要でした。橋山氏は、SFAツールのSalesforceがこれから大きく普及し、その後Salesforce側が顧客単価を上げるために、Account Engagement(旧Pardot)のようなMAツールを抱き合わせで販売してくるはずだと読んでいました。実際、この読みはかなりの精度で当たっています。
MAツールの実装自体は、通常のSIerでも担えます。ただ、そのSIerの多くはマーケティングの知見を持っていません。そこにマーケティングの知見を提供できれば希少性が生まれ、需要があるはずだ、という読みから、インサイドセールス支援とMA導入支援をパッケージにした事業が立ち上がりました。
担当したのは、MAツールでできることを整理し、初めて触れる顧客にもわかるように示す資料づくりや、顧客の集客から商談獲得までの流れを図にまとめてツールを活かせる領域を特定する提案、そして配信に使うメールやランディングページの制作です。制作スキルを持たない顧客も多く、その場合は制作そのものも引き受けました。
実際の成果物
掲載している画像は、当時の資料をもとにAIで再現したイメージです。守秘義務等の事情により、実際の資料とは異なります。

市場分析・顧客分析から自社のブランディングまでの上流工程を、フレームワークと成果物のセットで定義したものです。

お客様の「やりたいこと」と「困りごと」を対にして示し、支援内容・業務範囲・納品物・参考価格までを一枚にまとめました。

メール配信の目標値と実測値を、開封率からKPIの問合せ件数まで並べて可視化したものです。

見込み客の獲得・育成・選別・管理という段階ごとに、目的と対応する機能を整理しています。初めて触れる顧客にもわかるように組み立てました。
結果
2つの事業とも、単発の依頼だったものを、繰り返し提供できるサービスに仕立て直すところまで到達しました。Webマーケティング領域のコンサルティングは、上流から下流までのフローと価格の目安を持つメニューとして、インサイドセールス・MA導入支援は、複数の顧客に横展開できるパッケージとして、それぞれ形になっています。
そしてMA導入支援でつくった型は、この後複数のクライアントへの個別の導入支援として広がっていきました。
いまのサービスとのつながり
この2つの事業に共通しているのは、最初から型を用意しなかったことです。1社を相手に、決まったやり方がないまま手探りで作りきる。うまくいった時点で初めて、そのやり方を振り返り、他の相手にも渡せる形に整えます。
順番が逆だと、うまくいきません。型を先に考えても、それは机上のものにとどまります。実際に1件をやりきったからこそ、どこが本当に効いていて、どこが無駄だったのかが分かる。型は、あとからしか見えてきません。
ナラティブ構築サービスも、同じ順番で組み立てています。その会社が実際に積み重ねてきた体験や判断を先に聞き取り、そこから言葉を立ち上げる。理屈を先につくって当てはめることはしません。手を動かした実際の中身から、再現できる形を取り出す。この事業の立ち上げそのものが、いまのサービスのやり方と同じ形をしています。