MAツールを導入したいが、何から手をつければよいか分からない
MA導入を支援し、各社が自走できる状態まで届けた
数字で見る
このページで紹介しているのは、そのうち5社の事例です。
背景と課題
体制
この導入支援は、システム実装を担う事業者と組んだ体制で提供していたものです。SalesforceやAccount Engagement(旧Pardot)といったツールの実装は先方が担当し、こちらはそれをマーケティングの観点でどう使っていくか、そしてそこで必要になる初期設定を受け持ちました。
相談の入口にあったもの
各社の相談は、いずれもデジタルトランスフォーメーションの文脈から始まっています。よくあったのは次のようなものです。
- Salesforceなどを導入して、営業活動を効率化したい
- 顧客データベースを刷新し、顧客情報に基づいた営業活動を行いたい
- これまで蓄積してきた名刺データを使って、デジタルマーケティングを始めたい
目的は会社によって異なります。既存業務の効率化を求める場合もあれば、新規販路の開拓や売上アップを目指す場合もありました。いずれにしても実務上の目的が先にあり、そこが、その後の進め方を決めることになります。
各社に共通する進め方
業種も規模も異なりますが、進め方はおおむね共通していました。
いまの商流を、そのまま図にする
新規顧客の獲得から商談までの商流を整理し、どこを人が担い、どこがツールで置き換えられるのかを分けていきます。そのうえで、ツールを入れると効果が大きい箇所を探ります。
顧客のエンゲージメントに向けた取り組みの課題を洗い出す
顧客との関係づくりのためにすでに行っている施策について、それぞれどこで詰まっているのかを整理します。何もない状態から始める会社はほとんどなく、たいていは何かしら動いているためです。
いまの体制で無理なく始められる順に、活用シナリオを提案する
MAは、誰にどの順番で何を送り、どの反応を見て次に動くかというシナリオがあって初めて働きます。そのシナリオは、いまの人員と業務量で実際に回せる順に並べました。課題の大きさより、着手できるかどうかを優先しています。
最初のコンテンツの制作を引き受ける
シナリオが描けても、メールやランディングページ、フォームがなければ配信は始まりません。制作の担い手がいない場合は、こちらで制作を代行しました。デザイナーを別途アサインし、そのディレクションを担当しています。
引き受ける範囲は、最初のシナリオ1件分にあたる最初のコンテンツまでとしました。ここが手本になり、以降は自社で制作を続けていけるようになります。
最初の一歩を踏み出せる範囲に絞って、使い方を伝える
最初のメール配信をスタートできるミニマムの機能に絞って使い方をレクチャーし、無理なく運用を自走できるようにしました。
共通していた判断
この型を貫いていたのは、既存のやり方を大きく変えずに導入するという考え方です。
相談の出発点にあったのは、あくまで業務上の困りごとです。高度な運用を最初から渡しても、回す人がいなければ止まります。そこで、まず王道的なやり方を例示し、それを自社で試してもらう。ナレッジが溜まってきたら、徐々に応用へ進む。そのほうが定着します。
KGIやKPIの設定についても同じで、その会社の商材や業態によって適した形は変わるため、まず基本的な考え方を示したうえで、自社で試しながら調整していくことをお勧めしていました。
支援した案件
| 業種 | 時期 | 主に取り組んだこと |
|---|---|---|
| IT人材紹介 (人材マッチング) | 2018年 | 獲得フローの整理と、ツールで効率化できる領域の切り分け。導入後の運用ロードマップと、マーケティング業務体制の構築を提案。 |
| 資産運用コンサルティング /映像制作(グループ2社) | 2019〜2020年 | 個人向けと法人向け、性質の異なる2つの商流へ同時に導入。初期のメールテンプレートとランディングページを制作し、運用開始までの道筋をつけた。 |
| 人材開発コンサルティング ・企業研修 | 2021〜2023年 | 導入済みのSalesforceと連携させ、既存の運用を崩さない形で導入。コンサルティングメニュー自体の設計も担当。約1年8ヶ月にわたり伴走。 |
| 商業施設開発 ・運営代行 | 2022年 | 属人的だった営業活動を変えるきっかけとして、メール配信を立ち上げ。反応をもとに顧客を分類し、優先順位づけを営業活動へ反映。 |
| 不動産投資・運用 | 2022年 | 顧客属性の把握が人手頼みだった状態に対し、行動を観測できる仕組みを段階的に広げる計画を設計。基礎的な操作をレクチャー。 |
各社とも、社名は伏せて業種で記載しています。
実際の成果物
掲載している画像は、当時の資料をもとにAIで再現したイメージです。守秘義務等の事情により、実際の資料とは異なります。

導入をどう進めるかを6つのステップに整理したものです。このメニュー自体も制作しました。

人が担っている領域、ツールで処理できる領域、そしてマーケティングの視点が必要な領域を切り分けたものです。

課題の解決につながり、かつ現状の体制で無理なく挑戦できる順に優先順位を決めています。

最初に使う初歩的な機能に絞って、設定方法をお伝えしました。
結果
いずれの案件もMAの導入と運用開始まで到達しています。メール配信の仕組みが立ち上がり、顧客の反応をもとに優先順位をつけて営業へ渡す、という流れが動き始めました。
それまで一般的なメール配信サービスでは難しかった、見込み客の行動を観測する、条件に応じて自動でメールを送る、対象を絞り込む、といったことも可能になっています。
導入をきっかけに、集客から売上に至る経路そのものを見直すプロジェクトが立ち上がった会社もありました。
いまのサービスとのつながり
MAツールは、入れただけでは動きません。誰にどの順番で何を届け、どの反応を見て次に動くのか。その設計があって初めて機能します。道具そのものより、それを使う筋道のほうが要るということです。
そして設計するときに最も気をつけていたのが、その会社がいまの体制で回せる範囲に収めることでした。理想的な運用を描くことはできますが、動かす人がいなければ止まります。だから王道的なやり方から始めてもらい、慣れてきたら応用へ進む形にしていました。
この考え方は、いまのサービスでも変わりません。企業の“らしさ”を言語化するときも、最後に見ているのは同じところです。その会社の方が、そして最近ではその会社が使うAIが、実際に手を動かせる形になっているかどうか。そこまで届いて、はじめて資産になります。